みかん水はみかんのフレーバーが入った飲料で全国各地で生産され、全国各地で認知されている。
業界大手の高知県吉村飲料が機械の老朽化により惜しまれつつ2016年の10月に廃業となり、ローカル飲料文化は途絶えようとしている。
衰退の大きな原因はコンビニだと業者は分析する。
コンビニはローカル商品をほとんど取り扱わないうえ、自販機展開が出来ないため近年苦戦を強いられている状況であった。
当時高知県産の駄飲料は関西、中国、九州と四国以外にも多く流通していた。
最盛期は高知県でも各市町村にそれぞれ飲料工場があったとの事だが、この度廃業となった土佐市の吉村飲料のシェアは群を抜いていた。
有名な瓶飲料パレードは日本で数ヶ所、委託契約で生産されたドリンクで、西日本では岐阜、佐世保、そして土佐の吉村飲料が手掛けていたという。
吉村飲料は現社長の吉村氏(70)の父親が起業、元々高知市内の醤油屋にて働いていた父親が、友人よりみかん水の作り方を習い地元土佐市高岡にて産声をあげた。
最盛期には年間80万本の売り上げがあり商品は東京にも並んだ。
その販売数は国内に参入したコカコーラも遠く及ばないほど爆発的な売上高を記録したという。
2代目となる長男吉村氏により大型機械の導入、ラムネ、パレードの生産(昭和20年~)とみかん水以外のヒット商品を連発した。
吉村飲料は先代の頃より工場の向かいにて骨董店を営んでおり現在も営業を続けている。
写真はリニューアルした一番最後のデザイン版だが、この蛸唐草模様は吉村氏が好む伊万里焼をイメージし自らがデザインを行った。
ポップなデザイン、瓶の変更と常に進化されてきたみかん水、老若男女のファンが多い理由も頷ける。
四国、特に地元高知でのみかん水認知は非常に高く吉村飲料の閉鎖が惜しまれる。
現在は乳酸飲料リープルで有名なひまわり乳業が紙パック入りのみかん水を生産している。
ちなみにみかん水には果汁は入っておらず、吉村飲料は現在ではメジャーな炭酸飲料も国内でいち早く手掛けた。
吉村飲料に記念として残されていた最後のみかん水とその他の貴重な瓶飲料は吉村社長夫妻により2017年に玩具博物館併設 出雲そば日本一大名陣へ寄贈されている。
玩具博物館併設 出雲そば日本一大名陣
THE ALFEE 坂崎幸之助 和ガラスコレクション展
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